映画『進行曲 マーチングボーイズ』のモデルは?台湾・建中樂旗隊とWAMSB世界大会を解説
2026年10月23日(金)から公開される台湾映画『進行曲 マーチングボーイズ』(原題:進行曲/英題:Marching Boys)は、1991年の台湾を舞台に、名門男子校のマーチングバンド部の再起を描いた作品です。「実話をもとにした」と紹介されていますが、そのモデルになった学校がどこなのかは、日本語の記事ではほとんど触れられていません。
答えを先に書きます。モデルは台北市立建國高級中學(けんこくこうきゅうちゅうがく)の樂旗隊(がっきたい)、通称CKMBです。樂旗隊とは台湾でマーチングバンドを指す言葉で、演奏する「樂隊」と旗を扱う「旗隊」を合わせた編成をいいます。そして、この団体は映画の中の存在ではありません。台湾公開の直前にあたる2025年8月、実際に世界大会で優勝しています。
- 映画『進行曲 マーチングボーイズ』のモデルは、台北市立建國高級中學 樂旗隊(CKMB)。1983年に創立された台湾で最初のアメリカ式マーチングバンドです(公式サイトの表現では「臺灣第一支成立的美式室外行進樂隊」)。
- 映画の舞台1991年は、旗隊(カラーガード)が発足する1992年の前年。世界的な活躍が始まる前の「前史」を描いた作品です。
- 建中樂旗隊はWAMSB世界大会で2008年・2010年・2018年・2025年の4度優勝しています。2025年8月10日のインドネシア・ジャカルタ大会は7年ぶりの総合優勝でした。
- WAMSB世界大会は日本でも2002年と2013年に千葉で開催されており、2013年大会で建中樂旗隊は3位に入っています。
- WAMSB世界大会は編成人数でクラスを分けません。日本のマーチングバンド協会・全日本吹奏楽連盟の大会とは、そもそもの設計思想が違います。
日本版予告編(配給・株式会社メイジャーの公式YouTubeチャンネルより)
映画『進行曲 マーチングボーイズ』のモデルになった学校はどこ?
モデルは台北市立建國高級中學の樂旗隊です。台湾を代表する男子進学校の部活動で、略称はCKMB(Chien-Kuo High School Marching Band)。台湾の映画情報サイトでも「世界大会優勝校である建中樂旗聯隊の実話をもとにした作品」と紹介されています。
建中樂旗隊(CKMB)とはどんな団体?
基本情報を表にまとめました。日本の学校の部活動と違い、樂隊(演奏)と旗隊(カラーガード)が別々に発足しているのが特徴です。
| 正式名称 | 臺北市立建國高級中學樂旗隊 |
|---|---|
| 略称 | CKMB(Chien-Kuo High School Marching Band)/建中樂旗 |
| 学校 | 台北市立建國高級中學(台湾・台北市中正区)。台湾屈指の男子進学校 |
| 樂隊の創立 | 1983年 |
| 旗隊の創立 | 1992年(台湾で初めての男子旗隊) |
| 編成規模 | 40〜70名 |
| 世界大会での編成 | 2010年頃からは他校の生徒も加えた合同編成「建中樂旗聯隊」で出場 |
| 主な実績 | WAMSB世界大会 優勝4回(2008・2010・2018・2025年) |
なぜ映画の舞台が1991年なのか?
1991年は旗隊が発足する1992年の前年にあたり、樂隊の創立から8年目の時期です。つまり映画は、いまの姿になる直前の、いちばん不安定だった頃を切り取っていることになります。
建中樂旗隊が世界大会で初めて表彰台に上がるのは1996年の第1回WAMSB世界大会での3位で、映画の5年後です。優勝はさらに先の2008年。この映画は「世界一になった学校の話」ではなく、「世界一になる前の話」だと理解して観ると、作品の見え方が変わります。
当時、台湾のマーチングはどんな状況だったのか?
建中樂旗隊の公式サイトは、創立当時の状況をこう説明しています。1983年の時点で、台湾の屋外の管楽は軍樂隊(軍楽隊)と樂儀隊(がくぎたい)という、規律を重んじた硬い見せ方にとどまっていました。樂儀隊とは、演奏する「樂隊」と、擬銃や旗で規律演技をする「儀隊」が組んだ編成のことです。そこへ建中の管樂隊(日本でいう吹奏楽部)が率先してアメリカ式のマーチングバンドを持ち込み、愛国歌曲やクラシックだけでなくロック・ジャズ・現代の管楽作品まで演奏するようになります。
公式サイトが強調しているのは、「樂隊が儀隊の伴奏に徹する形式」と「方正な直線の隊形しか描けない枠」を破ったという点です。映画が描いているのは、まさにこの転換が起きていた時期の空気ということになります。
ちなみに入隊のハードルについて、公式サイトには体格や学業の制限はなく、楽器や舞踊の経験も不要、楽器の持参も不要と書かれています。掲げられている隊呼(チームコール)は「學弟不要怕,學長在這裡!」(後輩よ、恐れるな。先輩がここにいる)。映画のテーマとそのまま重なる一節です。
WAMSB世界大会とはどんな大会?
WAMSB(World Association of Marching Show Bands/世界マーチングショーバンド協会)が年に1回、開催を希望する国の持ち回りで開く国際大会です。1990年代半ばに発足し、第1回の世界選手権は1996年7月にカナダで開かれました。
日本マーチングバンド協会も、WGI・BOA・DCIと並ぶ関連団体として公式サイトでWAMSBを紹介しています。ただし日本から世界大会に出場する団体は多くないため、国内での知名度は高くありません。
日本のマーチング大会と何が違う?
いちばん大きな違いは編成人数でクラスを分けないことです。WAMSBの公認大会に関する規定には「WAMSBはグループの規模による分類を行わない」と明記されています。
| 観点 | WAMSB世界大会 |
|---|---|
| クラス分け | 編成人数では分けない |
| カテゴリー | 年齢による3区分。Junior(全員16歳未満)/Senior(全員23歳未満)/Open(22歳を超える人を含む) |
| 審査の観点 | Music(音楽)・Visual(視覚)・Overall Effect(総合効果)の3キャプション制。大会によっては音楽と視覚それぞれの効果を分けた4キャプション制 |
| 採点の考え方 | 異なるフォームやスタイルを互いに比較せず、そのバンドが選んだスタイルの中で評価する |
日本のマーチングバンド協会や全日本吹奏楽連盟の大会が編成や人数で部門を細かく分けるのに対し、WAMSBは「大きいバンドと小さいバンドを同じ土俵に乗せ、それぞれのスタイルの中で採点する」という発想を採っています。どちらが優れているという話ではなく、目的が違うということです。
なおこれは世界大会についての話で、国別の支部組織は独自の運用をしています。たとえば米国支部のWAMSB USAは、65人未満をA、65〜100人をAA、101〜150人をAAA、150人超をAAAAとする人数クラスを設けています。
日本の大会の審査がどう決まるのかについては、全日本マーチングコンテストの審査はどう決まる?もあわせてご覧ください。
演技のルールはどうなっている?
審査対象になる演技は8分以上12分以内です。入場と退場は審査に含まれません。主なルールを挙げます。
- 時間:最初の音または最初の動きから計時が始まり、ドラムメジャーが終了の合図を出すまで。8分未満または12分超は、3秒ごとに0.1点の減点。
- フィールド:屋外スタジアムでは100ヤード×53ヤード(約91.94m×49.03m)が標準。5ヤードごとのラインとハッシュマーク、またはメートル方眼が引かれます。
- 電子機器:ピットの楽器を増幅したり、効果音や事前録音の音声を使うことは認められています。ただし標準編成の楽器を電子機器で置き換えることは禁止。電源は電池式で、発電機は使えません。
- 著作権:使用する音楽やドリルに著作権が及ぶ場合、必要な許諾書類を大会の2週間前までに主催者へ提出するのはバンド側の責任です。
賞や競技区分は大会ごとに設定されます。実際に2023年の世界大会では、フィールドでのショー競技とは別に街頭パレード競技(Street Parade)の順位が出され、「最優秀旗隊(Best Auxiliary)」「最優秀ドラムメジャー(Best Drum Major)」といった個別賞も設けられました。
WAMSB世界大会が日本で開かれたことはある?
あります。2002年と2013年の2回、いずれも千葉で開催されました。
2013年大会は8月8日から12日にかけて行われ、優勝はカナダのCalgary Stampede Showband(94.9点)、建中樂旗隊は3位でした。つまり映画のモデルになった学校は、日本の観客の前で演技したことがあることになります。
WAMSBの世界大会は、既存の音楽祭に併催される形をとることもあります。2009年のオランダ・ケルクラーデ大会は4年に1度のWorld Music Contest(WMC)の枠内で、2024年のドイツ・ラステデ大会はRasteder Musiktageの枠内で開かれました。
建中樂旗隊はWAMSBでどんな成績を残している?
建中樂旗隊はWAMSB世界大会で2008年・2010年・2018年・2025年の4度優勝し、2位・3位を含めると12回入賞しています。下の表は確認できている成績の一覧です。
| 年 | 開催地 | 成績 |
|---|---|---|
| 1996年 | カナダ・カルガリー | 3位 |
| 2004年 | イングランド・ボーンマス | 3位 |
| 2008年 | イタリア・モンツァ | 優勝 |
| 2010年 | ドイツ・ポツダム | 優勝 |
| 2011年 | マレーシア・クアラルンプール | 3位 |
| 2012年 | カナダ・カルガリー | 2位(行進部門は1位) |
| 2013年 | 日本・千葉 | 3位 |
| 2016年 | マレーシア | 2位 |
| 2018年 | 台湾・台北 | 優勝 |
| 2019年 | カナダ・カルガリー | 2位 |
| 2023年 | アメリカ・バッキャノン | 2位 |
| 2025年 | インドネシア・ジャカルタ | 優勝 |
2023年アメリカ大会では隊史最高得点
2023年7月の大会では、建中樂旗聯隊が栄誉金賞(Gold with Honors)を受け、隊の歴史で最高となる95.861点で2位に入りました。あわせて「最優秀旗隊(Best Auxiliary)」で1位、指揮の何浩星が「最優秀ドラムメジャー(Best Drum Major)」で2位、街頭パレード競技では92.333点で1位を獲得しています。
2025年、7年ぶりの世界一
2025年8月8日から10日にかけてインドネシア・ジャカルタで開かれた大会で、建中樂旗聯隊が総合優勝しました。2018年以来7年ぶりの優勝です。
- 会場はジャカルタ国際ベロドローム。5か国36団体が参加
- ショーのテーマは「Can you hear me?」
- 編成は20校の生徒による合同編成
- 出発前の2025年7月8日には、頼清徳総統が聯隊に授旗した
映画の台湾公開は2025年8月29日。実在のモデル校が世界一になった19日後に、その前史を描いた映画が公開されたことになります。
2026年7月にはWMCの最上位ディビジョンで金賞
さらに直近の話題があります。2026年7月、建中樂旗聯隊はオランダ・ケルクラーデで4年に1度開かれるWorld Music Contest(WMC/世界音楽コンクール)で金賞を獲得しました。出場したのはショーコンテスト(Show Contests)の最上位ディビジョンにあたる「Championship Division(チャンピオンシップ・ディビジョン)」です。
WMCの行進系の競技は3つに分かれており、それぞれ性格が違います。下の表は主催者であるWMCの公式サイトの説明にもとづくものです。
| 競技 | どんな競技か |
|---|---|
| Marching Contests (マーチングコンテスト) |
ヨーロッパの軍楽隊の行進の伝統に根ざした競技 |
| Show Contests (ショーコンテスト) |
隊形と演出を見せる競技。建中が出場したのはこちら。WMCは「最も見応えのある視覚的な部門」と位置づけている |
| Marching Parade Contests (マーチングパレードコンテスト) |
街路を進むパレード競技。軍隊式の精度よりも創意や観客を楽しませることに重きを置く |
ディビジョン(級別)は上からChampionship Division(チャンピオンシップ)・World Division(ワールド)・1st Division・2nd Division・Junior Divisionの順で、建中が出場したChampionship Divisionが最上位にあたります。なお台湾の各紙はこの部門を「室外行進樂隊の最高級別」(=屋外の行進バンドの最上位クラス)と表記していますが、WMC公式サイトの表記はShow Contestsです。
WMCでは順位とは別に、得点に応じて金・銀などの賞が与えられます。台湾の各紙が伝えているのは「金賞」で、順位までは報じられていません。
演目は『The Moment Before: A Ride to Love』。エルヴィス・プレスリーの楽曲を使った構成です。注目したいのは編成で、15校54名のうち、およそ半数が初心者でした。4月に結成し、放課後の練習と夏の集中練習で仕上げたと報じられています。
なおWAMSB・WMC・WASBEはすべて別の団体・大会です。WAMSBは世界マーチングショーバンド協会の世界大会(毎年)、WMCはオランダ・ケルクラーデで4年に1度開かれる音楽コンクール、WASBEは世界吹奏楽協会の学会にあたります。
筆者も建中の演技映像をYoutubeで見てみました。日本のマーチング協会(M協)で見るようなスタイルであり、日本のマーチングを見慣れた人にとっても、スーッと入ってくる感じです。金管だけでなく、サックスやフルート、ピッコロなどの木管も入っています。人数は年によって変わりますが、WMC2026の時点では54人で、日本のマーチング協会(M協)の人数編成で言うと、中編成(41~80人)にあたります。
樂旗隊・樂儀隊・旗隊は何が違う?
台湾には日本にない区分があり、これを知っておくと映画の見え方が変わります。ポイントは「儀隊」と「旗隊」が別物だということです。
| 用語 | 日本語で近いもの | 役割 |
|---|---|---|
| 樂隊 | バンド・吹奏楽 | 演奏を担当する |
| 儀隊 | 儀仗隊 | 擬銃や旗を使った規律演技。旗は立てたまま動かさない |
| 旗隊 | カラーガード | 旗を投げて受け、ステップに合わせて動かす。隊列では儀隊の前導を務める |
| 樂旗隊 | マーチングバンド | 樂隊と旗隊を合わせた編成。建中樂旗隊はこれ |
| 聯隊 | 合同バンド | 複数校の生徒で編成する連合チーム |
かつて台湾では高校の樂隊が儀隊とセットで演じるのが一般的で、とくに女子校で樂儀隊が数多く設立されました。たとえば台北第一女子高級中學(北一女中)は、樂隊が1958年、儀隊が1963年、旗隊が1997年の創立です。建中が1983年にアメリカ式のマーチングバンドを持ち込んだことが、いかに異質だったかが分かります。
建中樂旗隊と日本には、どんなつながりがある?
2013年の千葉での世界大会だけではありません。建中樂旗隊は日本の高校・大学と繰り返し交流しています。以下は建中側の公式記録に残っているものです。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2013年8月 | 千葉で開かれたWAMSB世界大会に出場し3位 |
| 2023年10月4日 | 金澤泉丘高校との交流演奏 |
| 2023年10月9日 | 国慶日の関連行事として台湾・日本・アメリカの4校による交流演奏 |
| 2024年7月16日 | 早稲田大学を訪問 |
| 2024年7月17日 | 東海大学付属高輪台高等学校 吹奏楽部と交流 |
| 2024年7月19日 | 東京農業大学第二高等学校 吹奏楽部と交流 |
| 2024年7月22日 | 関東学院との交流 |
日本のマーチング・吹奏楽になじみのある方なら、後半3つの名前で距離が一気に縮まるはずです。映画のモデル校は、すでに日本の高校生と同じ場所で音を出しているということになります。
台湾のマーチングは、いまどんな状況?
大会の仕組みは活発に動いている一方で、部員の確保に苦労している点は日本と同じです。
台湾の主な大会
台湾でマーチングの実力が競われる主な舞台は次のとおりです。
| 大会・催し | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| 全國學生音樂比賽 行進管樂 (全国学生音楽コンクール 行進管楽の部) |
学年度ごと | 台湾の全国学生音楽コンクールのうち、屋外で行進する部門。國小(小学校)・國中(中学校)・高中職(高校・高等専門職業学校)の各団体の部を、さらに「70人以下」「71人以上」に分ける |
| 臺灣樂旗大獎賽 (台湾マーチングバンド・グランプリ) |
4月末ごろ | 2023年に始まった大会。建中は2023年・2024年と連続で金賞・総合優勝 |
| 臺北市樂儀旗舞觀摩表演 (台北市 樂儀旗舞 観摩表演) |
毎年4月 | 樂隊・儀隊・旗隊・舞(ダンス)が集まる発表会。台北市教育局主催で、競技会ではなく発表・交流の場 |
| 嘉義市國際管樂節 (嘉義市 国際管楽祭) |
12月〜1月 | 1993年に始まり1997年から海外団体を招く。踩街(ツァイジエ=街を練り歩くパレード)嘉年華(カーニバル)が名物 |
注目したいのは全國學生音樂比賽が人数で区分していることです。WAMSB世界大会が人数でクラスを分けないのに対し、台湾の国内大会は日本と同じく人数で分けています。国際大会と国内大会で発想が違うわけです。
部員の減少
一方で、時間と労力のかかる樂旗隊への参加者は減っていると報じられています。台中女子高級中學では100名を超えていた時期から3学年で約40名まで縮小したとされ、建中や北一女中といった名門でも部員数の確保が課題になっていると伝えられています。少子化と部活動の在り方をめぐる悩みは、海を挟んでも共通しているようです。
映画『進行曲 マーチングボーイズ』はいつ・どこで観られる?
2026年10月23日(金)から全国順次公開です。基本情報を整理します。
| 邦題 | 進行曲 マーチングボーイズ |
|---|---|
| 原題/英題 | 進行曲/Marching Boys |
| 日本公開 | 2026年10月23日(金) 全国順次 |
| 監督 | 姜瑞智(ジャン・ルイジー) |
| 主演 | 牧森(ムー・セン) |
| 上映時間 | 117分 |
| 台湾公開 | 2025年8月29日 |
| 配給 | メイジャー |
| 受賞 | 第62回金馬奨で牧森が最佳新演員(新人俳優賞)にノミネート |
公開日は劇場によって異なり、10月23日のほか11月に入ってから始まる劇場もあります。上映館は全国一斉ではないため、公式サイトで最寄りの劇場を確認してから予定を立ててください。
よくある質問(FAQ)
映画『進行曲 マーチングボーイズ』は実話ですか?
実話をもとにした作品です。モデルは台北市立建國高級中學の樂旗隊(建中樂旗隊)で、映画の舞台は1991年の台湾です。ただし登場人物や個々のエピソードがどこまで史実どおりかは公表されていません。モデルになった団体は現在も活動しており、2025年8月にWAMSB世界大会で優勝しています。
モデルになった建中樂旗隊は、いまも強いのですか?
台湾を代表する強豪です。WAMSB世界大会で2008年・2010年・2018年・2025年の4度優勝しています。2025年8月10日にインドネシア・ジャカルタで行われた大会では、2018年以来7年ぶりの総合優勝を果たしました。
WAMSB世界大会が日本で開かれたことはありますか?
あります。2002年と2013年の2回、いずれも千葉で開催されました。2013年大会は8月8日から12日にかけて行われ、優勝はカナダのCalgary Stampede Showband(94.9点)、建中樂旗隊は3位でした。
WAMSB世界大会は、日本のマーチング大会と何が違いますか?
最大の違いは、編成人数でクラスを分けないことです。区分は年齢によるJunior・Senior・Openの3つだけで、大きなバンドと小さなバンドが同じ土俵に立ちます。審査はMusic・Visual・Overall Effectの3つの観点で行われ、審査対象の演技時間は8分以上12分以内と決まっています。
まとめ
『進行曲 マーチングボーイズ』は、台湾の青春映画としてだけでなく、実在する世界的強豪バンドの「前史」として観ることができます。
- モデルは台北市立建國高級中學 樂旗隊(CKMB)。1983年創立、旗隊は1992年発足
- 舞台の1991年は旗隊発足の前年。世界大会初の表彰台は5年後の1996年
- WAMSB世界大会で4度優勝、直近は2025年8月のジャカルタ大会で7年ぶりの世界一
- WAMSB世界大会は2002年と2013年に千葉で開催され、2013年に建中は3位
- 2024年には東海大学付属高輪台高校・東京農業大学第二高校などと交流しており、日本との縁は続いている
日本のマーチングの大会についてはマーチングバンド全国大会の記事、全日本マーチングコンテストの記事にまとめています。審査の仕組みに興味を持たれた方は全日本マーチングコンテストの審査はどう決まる?もあわせてどうぞ。
出典・参考:映画『進行曲 マーチングボーイズ』日本公式サイト/WAMSB公式サイト(公認大会の分類・One World審査システム規定・沿革)/建中樂旗隊公式サイト(CKMB簡介・輝煌紀錄)/台北市政府教育局の発表/中央社・自由時報・Taipei Times・國語日報などの報道/全國學生音樂比賽 公式サイト。大会のルールや日程は変更されることがあるため、最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

